カレートール(古希: Καλήτωρ, Kalētōr)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してカレトルとも表記される。トロイアー王ラーオメドーンの子クリュティオスの子で、キュクノスの妻となったプロクレイアと兄弟。しかしプロクレイアはラーオメドーンの娘ともいわれる。トロイア戦争で戦ったトローイア軍の将の1人。
トローイア軍がギリシア軍の防壁を破って陣内に突入したとき、カレートールは松明を手にして船に火を放とうとしたが、大アイアースの投げた槍を胸に受けて命を落とした。ヘクトールはカレートールを助けようとして大アイアースに向けて槍を投げたが、槍は逸れて、代わりに大アイアースのそばで常に戦っていたリュコプローンの頭に当たって倒した。
なお、カレートールが火を放とうとしたのはプローテシラーオスの船だったという。
系図
脚注
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎(1991年)
- ホメロス『イリアス(下)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)




