(コク、ワク)は、門部 2画、総画数10画の漢字である。環境依存文字である。「『ものかげからきゅうにとびだしてひとをおどろかせるときにはっするこえ』という、漢字の中で最も長い33文字の訓読みを持つ」と言われることがあるが、実際にはこれは訓読みではなく、漢和辞典の字義解説として掲載された例がある。

文字解説

字義・解字

門と人を合わせた会意文字であり、人が門から急に飛び出して人をワッと驚かす声を表す擬声語である。意味は「隠れていた人が突然姿を現して人を驚かせるときに出す声」もしくは「身を隠して、突然現れ出ること」。『字彙補』には「閄、隠身忽出驚人之聲也」とある。門と人で成り立つ漢字は閄の他に、閃(ひらめ・く/セン)、們(モン/ともがら)(人ではなく人偏だが、意味は同じ)などがある。

読み

音読みは漢音で「コク」、呉音で「ワク」。「カク、セン」とする辞典もある。訓読みは一般的には無しとされるが、「わっ-と」という用例も見つかっている。

中国語では、突然姿を現して人を驚かせる擬声語として「huò」、身を隠して突然現れるの意で「shǎn」と発音される。

創作物での使用例

カッコ内はふりがな。

  • 『会談興晤雅話』(かいだんおとしばなしももんがわ・かいだんきょうごももんがわ) - 振鷺亭主人作の寛政期の咄本。「ももん」と読ませている。
  • 『なんだかとっても! いいかんじ』 - 卑屈Pの初音ミク使用楽曲。サビで「」という漢字が「ものかげからきゅうにとびだしてひとをおどろかせるときにはっするこえ」という読み方で使用されている。

電算処理・登録番号

Unicode

Unicodeにおける符号位置はU 9584で、Unicode一覧 9000-9FFFに記載。Unicodeの数値文字参照は、10進数だと、16進数だと

JIS漢字コード

JIS X 0212では70区2点に収録されている。JIS X 0208およびJIS X 0213には収録されていない。

大漢和辞典

41216番に収録されている。

戸籍統一文字番号など

戸籍統一文字番号は467820、登記統一文字番号は00467820。

脚注

出典

参考文献

  • 諸橋轍次、鎌田正、米山寅太郎(修訂増補)『大漢和辞典』(修訂第二版)大修館書店、1989年。ISBN 978-4-469-03158-4。OCLC 50222534。 
  • 鎌田正・米山寅太郎『大漢語林』大修館書店、1992年。ISBN 4-469-03154-2。OCLC 26437853。 
  • 鎌田正・米山寅太郎『新漢語林』(第二版)大修館書店、2011年。ISBN 978-4-469-03163-8。OCLC 744270688。 
  • 藤堂明保、松本昭、竹田晃、加納喜光『漢字源』(改訂第六版)学研プラス、2018年。ISBN 978-4-053-04619-2。OCLC 1082335637。 
  • 『新潮日本語漢字辞典』新潮社、2007年。ISBN 978-4-107-30215-1。OCLC 180195908。 
  • 『漢語大字典』(第二版)四川辞書出版社・崇文書局、2010年。ISBN 978-7-806-82500-6。OCLC 17962810。 

関連項目

  • たいと
  • 訓読み

外部リンク

  • Unicode (英語)
  • CHISE (日本語)

杼 文化遺産オンライン

改札鋏 09

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漢字「篏」の部首・画数・読み方・意味など