『月令広義』(げつれいこうぎ、正字: 月󠄁令廣義)は、中国・明代の官僚で学者でもあった馮応京(ふうおうけい、正字: 馮應京(中国語版))が万暦年間に著した、中国の伝統的な年中行事・儀式・しきたりなどを解説した本。24巻首1巻附録1巻。
先秦時代の一年間の行事を理念的な観点から紹介した『礼記・月令篇』を補足するという形式をとる。そのため古書からの引用が多く、古くは六朝・梁代(6世紀中頃)の、すでに原典が失われてしまっている文言小説などからの説話を傍証として多く収録しており、中国の民間伝承を研究する上での貴重な資料となっている。
例えば七夕の「織姫と牽牛の恋愛譚」が、現在知られているストーリーとほぼ同じ型になった最も古い時期を考証できる史料も、本書に引用されている梁代の殷芸(いんうん)が著した『小説(殷芸小説)』のなかの一節であるほか、慣用句「一年の計は元旦にあり」の原典らしきものや、「花咲か爺」の原典のひとつとされる説話など、今日の日本における身近な慣用句・諺や説話の出典にもなっている。
原文
中国哲学書電子化計画 "月令廣義" - 共2筆資料。
注・出典




